資金繰りが悪化、倒産状態に追い込まれる零細企業
加ト吉 循環取引、商社45億円特損か
零細企業破たんも
冷凍食品大手「加ト吉」(本社・香川県観音寺市)グループが「循環取引」を繰り返し、総額984億円の売上高を水増ししていた問題は、同様に売上高を水増しする結果となった取引先商社が26日、決算の修正を発表した。グループ以外にかかわったとされるのは計32社。「そんな実態とは知らなかった」と訴える取引先も。問題発覚後、資金繰りが悪化し、倒産状態に追い込まれる零細企業も相次いでおり、その影響は、広がる恐れが出ている。
東京支社の循環取引への関与が明らかになった名証1部上場の鉄鋼商社「岡谷鋼機」(本社・名古屋市)はこの日、2007年2月期連結決算の売上高を94億円減額修正すると発表、今後、最大で45億円の特別損失が発生する可能性があることも明らかにした。
「結果的に循環取引に巻き込まれた」。記者会見した岡谷篤一社長は、3社間の取引のもう1社が加ト吉の出資会社だったとして「当社は被害者」と繰り返し弁明した。加ト吉が24日発表した調査報告書で、岡谷鋼機が絡む循環取引が2003年以降、計248億円とされたことから、過去の決算も調査し、修正する。
同社の説明によると、減額する94億円は、同期の1年間の加ト吉への総販売額の約6割。伝票上、加ト吉が出資する東京都内の冷凍食品販売会社から商品を仕入れ、加ト吉東京支社の東京特販部に販売していた。
取引は、読売新聞が一連の問題を報じた3月25日以降も続けられ、今月2日、加ト吉からの申し入れで中止された。岡谷鋼機は加ト吉側から「正常取引」との説明を受け同10日、同期の決算を発表していた。
一方、零細取引先は、加ト吉との取引が打ち切られたため手形の決済資金を調達できず、次々と不渡りを出し、事業停止や銀行取引停止に追い込まれている。
北海道の冷凍食品メーカーには25日、仕入れ先が押しかけ、在庫を持ち去った。操業停止状態で、従業員らは「詳しいことはわからない」と不安を募らせる。
徳島県内の企業では、経営者一家が所在不明になっている。加ト吉の有価証券報告書に、億単位の手形がこの企業に振り出されているとの記載があるが、役員の1人は「そんな手形は見たことがない」と話した。
加ト吉は取引先32社の社名をほとんど公表しておらず、銀行関係者は「水産業界は零細企業が多く、無関係の企業まで風評被害が広がるのでは」と懸念している。
(読売新聞 より)
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